初めての「きき酒会」 取材報告  (by えつこ)

越乃白銀会主催 きき酒会

第 10 話

●コツの3ーお酒のタイプを知る。
お酒は、その造りによって色々なタイプに分かれます。そのタイプによって香りや味のパターンがあります。それを知っていると判断しやすいと思います。例えば吟醸酒タイプ、純米酒タイプ、本醸造タイプ、生酒タイプ、樽酒タイプ、辛口、甘口、低アルコール、他にもありますがこんな所でしょうか
●コツの4ー欠点を探すこと。
きき酒の時は良い点を探すことも大切ですが欠点も大切な判断材料です。
●コツの5ー言葉を覚える
 香り・・・
麹の香り、老香(ひねか)、吟醸香など
麹の香りや吟醸香などはご存じでしょうが、老香というのは「熟し香」とも言われ、(管理の悪い)古いお酒の香りです。
 味・・・
お酒の味を基本的に理解するためには最も大切な味が2つあります。「濃さ」と「きれいさ」です。
「濃さ」は「ごくみ」、「こく」とも言いますし、「きれいさ」は「調和」、「まるさ」とも言います。
さて、この2つの味について、+5から−5までの尺度を使ってグラフにしてみます。
   
右上が濃くてきれいな酒。左上がきれいだがうすい酒。それらの中で、どのあたりの場所になるかも考えましょう。
●コツの6ー頭の中にモノサシを
味の濃さのモノサシ、味のきれいさのモノサシを頭の中に作ることが大切です。そのためにはとにかく数多くのお酒をきき酒する以外に方法はありません。
●コツの7ー聞くは一時の恥
お酒はビールやワインなどと違い、ビンのままではなくお銚子やグラスで出ることもあります。その場合は必ず銘柄とタイプを聞くことにしましょう。それも普段の勉強のうち。

●コツの8ー記憶
あの時に飲んだお酒はどうだったと記憶ができると役に立ちますね。
●コツの9ー自分の得手、不得手を
        知る
全ての人が嗅覚と味覚に優れているとは限りません。そこで自分は得手、不得手があった場合はそのどちらかに頼ってきき酒をしても客観的な判断が出来ます。
以上が日本醸造協会の清酒入門という文献を参考にし、多少自分なりのアレンジを加えたきき酒のコツとして書いてみました。
その他、私流のちょっとしたポイントを内緒でいくつか教えちゃいましょう。まず、一般の方を対象にしたきき酒会は回る順番が決まっていません。そこでお酒の個性が出にくい価格の低い普通酒からきき酒をします。高いお酒はその価値をわかってもらうために個性が出ます。だから個性があるお酒は判別しやすいので後でも良いのではないかと思います。
感覚がするどい最初の方にわかりにくいものをした方がベターかなと思います。
そして、私流のやり方として、まず味よりは香りに重点を置きます。香りを嗅いだときにそれによって想像するイメージを頭の中に描きます。そして、そのイメージとお酒を結びつけ記憶するようにします。もし、香りがうまくわからないと思ったら次に味を頼りにします。私の場合はある程度何回か口に含むとアルコールのせいで味の感覚が弱くなってしまいます。そこでしばらく時間をおくか、また、香りを頼りにするようにします。そして、きき酒中は私語は禁止。自分の感覚を頼りに自分の考えを書きます。迷ったら何度戻っても良いのです。気が済むまでやってみましょう。そして最後は勘と運。行き着くところはそこだと思います。今回のきき酒は私にとって、まぐれと幸運の賜だと思っています。だっていつもは、こんなに当たったことはありません。
きき酒のコツと称して色々書きましたが実際は本当に微妙なサインをどれだけ感覚として増幅できるかだと思います。そんな簡単にわかりゃ苦労しないよ。というところが本音です。最後までお付き合い下さいまして、ありがとうございました。
    …第10話 完…

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