日本のワインのルーツを訊ねて 取材報告  (by えつこ)

山梨県勝沼町  メルシャン勝沼ワイナリー
        マンズ勝沼ワイナリー

第 5 話

 蔵造りの館内に入ると中央部分が中二階のような構造になっています。
   
 上のフロアーには当時の醸造器具や歴史コーナーや古文書コーナーなどがあり、その反対側はワインの樽が並んでいます。
     
 その上がり口に当時の圧搾機が展示してあります。この圧搾機はフランスで書き写してきた、そのままの形に作られているように見えます。多分実際に使われていたものか、または原寸大のレプリカだと思います。
 構造は大型の桶の回りの木の間が少し隙間が空いていて、その桶にぶどうを入れて、上から万力の原理で圧力をかけると回りの木の隙間から果汁が流れ出る仕組みです。
 上のフロアーに移って模型で説明しましょう。これが先ほどと同じ圧搾機。
   
 こんな機械?道具でぶどうを搾ったんですね。
     
 これは除梗機。この機械の上部からぶどう房を入れて、ぶどうと枝に分けて、ぶどうだけを下の桶に落としていきます。    

 次は濾過器。ご存じのように赤ワインはぶどうの皮や種も一緒に仕込みますので発酵が終わったら液体としてのワインとそれ以外のものに分けなければなりません。
   
 写真中央の白い部分がフィルターになっていてワインを瓶詰めする前に濾過してから瓶に詰めるために使うものです。四角い枠の中央に布状のフィルターがあり、それを何枚も重ねて使ったようです。
 最後は打栓機。一本一本ビンにコルクの栓をするときに使います。
      
 続いて歴史コーナーです。
 ここでは最初に日本のワインづくりの経緯をご説明しましたが、その様子がパネルで紹介されています。
    
 概略は既にご説明しましたのでここでは省略させていただきます。
 次は古文書・古書コーナーです。ここでは前出の昭和52年春に土屋家のぶどう畑から偶然見つかった伝習中の日誌や往復書簡の写しなどが展示してあります。
    
 この写真は「ぶどう栽培並ぶどう酒醸造範本」と題された手帳です。垣根式のぶどう棚の図が左に書いてあり、几帳面に並んだ文字からは龍憲の意気込みが感じられるようです。
      …第6話につづく…

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