第2話
夜の東京に繰り出すためにホテルを出発した私たちは、品川駅から都営浅草線に乗り込み、江東区にあるH酒店を目指しました。ムム!私たちのことだからすぐにでも食事に行ったと思われた方も多いのでは?ご期待にそえなくてごめんなさい。一応研修旅行ですから、それらしいこともしないとね。と言うことで、一路その酒店を目指したのですが、誰も行ったこともなければ、地図も無し。わかっているのは住所のみ。恐らくこの辺が最寄り駅なのだろうと思われる所で電車を降りて、そこからはタクシー。住所と店名だけを告げて、あとは運転手さん頼みです。「何か近くに目印になるような建物は?」と聞かれても、全然わからない私たちを乗せて、運転手さんは地図を片手に運転です。進入禁止、一方通行に阻まれて、近くまで来ているようなのに、なかなかたどり着けません。でも、この運転手さんはとても良い方で、「ちょっと、聞いてきてあげる」と言って、運転席から飛び出すと、近くの商店街の方へ走って行くではないですか。そして、息を切らしながら帰ってくると「この先を200Mくらい行くと右側にあるそうだから、ここから歩いた方が近いそうだよ」とのこと。親切な運転手さんで、良かった。ありがとうございました。 | H酒店は、日本各地の特徴ある地酒を取り扱っていて、何でも100蔵1000アイテムの品揃えがあるお店と言うことで、雑誌などでも紹介されていました。そこで、是非それだけの種類の地酒が一同に揃っているお店ならば、新潟では手に入りにくいお酒を買って、それを飲むのも勉強と言うことで、今回の予定に組み込んだのです。 ようやくたどり着けた酒店は、うっかりすると通り過ぎてしまいそうな小さなお店で、飾り気の無い、一見普通の外観のお店でした。ところが、中に入ってみると、壁面が全て4段の冷蔵庫になっていて、日本酒がびっしりと並んでいるではないですか。そして、本当に全国つつうらうらの地酒揃いです。フ〜ンすごいもんだな。と思いながら、お店の一角に目をやると、そこには二人の男性店員が、パソコンにかかりっきりの様子。そして、その脇には地方発送用に荷造りした荷物の山。さすがに発送するお酒の量がすごいです。そしてレジのすぐ隣には試飲コーナーと書かれている冷蔵庫もあるのですが、お目当てのお酒は品切れでありませんでした。当然、棚にもありません。しかし、そこは食べる飲むに関しては準備万端の酒屋の青年部。次の手を考えてあるようです。 |
さっそく次の視察場所?へ向かうことにしました。 そろそろ皆さんのお腹もそして私のおなかもペコペコ。「何か食べさせてくれー」そんな言葉を聞きながら、私たちが向かった先は、神田神保町。古本屋さんの並ぶこの町に何しに行ったって?当然第2の視察です。今回の研修旅行に出かける前に地元の蔵元の営業さんから、是非ここは行ってみた方が良いとお勧めされたところへ向かっているのです。「新潟ではお目にかかれない物がたくさんあるので、すごく勉強になりますよ」とのことで、旅行のスケジュールに加えられていたのです。 私たちって何てまじめなのでしょう。こんな時間までお勉強。地下鉄神保町の駅から地図を見ながら夜の暗い道をひたすらその場所を探し求めて行きました。 さあ、到着です。エヘヘ!目指していた第2の視察場所とはこちらです。 『蘭奢待(らんじゃたい)』と言う、和食屋さんです。なーんだ、もったいぶって。やっぱり食べるんじゃん!と言いながらもニコニコ笑顔になってしまう私。 |
まずはお店の前で、記念撮影です。中に入ると、板前さんはコックさんのような出で立ちで、お店の作りもこぢんまりしている物の、ちょっとおしゃれな感じです。何でも、日本酒の種類の多さと本格焼酎・ワインまで、取り揃えているのが売りの、和洋折衷の居酒屋さんなんだそうです。 なぜ、居酒屋さんが第2の視察場所だって?その疑問はごもっともですが、今回の研修旅行のメンバーは酒屋の青年部です。新潟では手に入らない評判のお酒を飲み比べてみるのもお勉強と言う立て前で、やって来たのです。「なんだかんだ言っても、みんな、ただのお酒好きなだけなんじゃないのかなー。」と思ったのは私だけでしょうか。とりあえず、ビールで乾杯。喉を潤して、お勉強会のスタートです?私はと言うと、やっぱり食べ物の方に興味しんしん。早速、付き出しのがんもどきの煮物と、生ゆばを手にして、満足そうな顔をしています。この後、本当にお勉強会になるのでしょうか? …第3話へつづく… |