第5話

 2の視察を終えて、一応ここで解散。皆さんはタクシーで、上野方面へ出発。私たち夫婦はホテルのある品川へ向かうべく、方向もわからないまま、とりあえず歩き出しました。ここへ来る時は、地下鉄だったのですが、帰りはJRで行こうと決めたまではいいのですが、JRの駅はどっちにあるの?と言う状態で歩き始めたのです。きっと人が歩いていく方向に駅があるんじゃないかな〜などというお気楽な考えのまま、進んでいくと主人が、「アレ、これは見覚えのある景色だ。」どうも、若かりし独身時代に大好きなスキー用品を買うために何度となく訪れた事のある、スポーツ用品店街だったのです。「ここならお茶の水駅がすぐ近くだよ。」さすが頼りになるご主人様。お気楽な私たちですが、何とか駅までたどり着き、JRで品川駅に到着。この駅は、乗り換えなどではよく使うものの、じっくり見たこともないので、まずは構内探検。「ウーン、立ち蕎麦も美味しそうだね。」などと言いながら、ぐるぐる回って、やっぱり駅前に出てみようと言うことになり、外へ出ました。何にでも興味を持つ私たちは、まず改札口脇にあるスーパーへ入ってみました。別にな〜にも買うものもないけど、こんな場所のスーパーって何があるのか覗いてみたのです。 中に入るといきなりお惣菜コーナー、それに引き続きおつまみコーナー、お菓子に飲み物、調味料。回遊して最後の最後に、生鮮品がほんの少し置いてありました。通勤帰りの人などをターゲットにしている為なのでしょうが、普通の町にあるスーパーとは全く逆の導線を取っていました。それにしてもずいぶん混んでいます。やっぱり忙しい人が多いんだな〜と、感心しながら、何も買わずにスーパーを出ました。それからが大変、駅前の徘徊の始まりです。屋台のラーメン屋さんを横目で見ながら、クンクン。また、私たちのホテルの隣にある品川プリンスホテルを覗いてみたり。あっちをフラフラ、こっちをフラフラ。あてもないまま歩いていると、チョット小腹が空いてきました。「立ち蕎麦でいいんだけどな。」ここは駅前、必ずお蕎麦屋さんはつきものだと思って探すのですがありません。エーどうして?品川駅の中にはあったのですが、今更お蕎麦を食べるためだけに切符を買って、改札の中に入るのもバカバカしいし、でも、食いしん坊の私たちはおなかが空き始めるとどうしようもありません。しょうがない、駅前をもう一度探すことにしました。でも、本当にないのです。歩いているうちに、アレ!何か行列のできているお店がありました。


 づいてみると、派手な色使いのラーメン屋さん。ガラス窓から中を覗くとカウンター席だけの作りのそのお店は、びっしりとお客さんが座っていて、入り口付近から外の歩道まで、待つ人の列。本日のお夜食は、ここで決まり!
 『ラーメン屋 風神』幸いこの日は温かい夜だったので、外での立ちん坊も大丈夫でした。待つこと数十分。ようやく席に着くことができました。私たちの注文したものは、『特製 花の華らぁめん』チョットピリ辛で、お酒を飲んだ後には最高です。何でもこのお店の売りは、深みのある味わいで、こってりとした、とん骨鶏がらスープと、山梨のお水を使ったシコシコ麺なのだそうです。二人とも汗をかきかきペロリとたいらげて、アー美味しかった!立ちそばのつもりだったのが、こんなに美味しいラーメンにたどり着けるなんて、ラッキー!
 とてもいい汗を流した私たちは、いったんホテルへ向かったものの、先程のピリ辛ラーメンが利いてきたのか、喉が乾いてきました。そこで、優しい奥様(私のこと…)からの提案は、「他のメンバーはどこへ行ったか知らないけれど、一人だけ健全な行動をとったあなたの為に、コスプレもどきのお店へ行きましょう」(主人)「エ〜」私たちが入ったお店は……
ごめんなさい!前振りだけでした。実は、『アンナミラーズ』。がっかりした方も多いですよね。でも、ご承知の方も多いと思いますが、こちらのお店の制服はいつ見てもすごいと思うのは、私だけじゃないですよね。フリフリブラウスに、胸元を強調した作りのエプロンと、超ミニスカート。「どーだ!!ナイスボディーでしょ!!」とでも言わんばかりのピチピチギャルたちの、あの姿。アレ?少し、おばさんのひがみっぽくなってきたかな?ハイハイ、どーせ私にはできない格好ですよ。ここで、締めのアイスコーヒーを飲み、研修旅行第1日目が終了しました。2日目はどんなお勉強ができるのでしょうか。
        …第6話へつづく…

第4話にもどる         第6話につづく