おいしいしょうゆ蔵取材報告 (by えつこ)

長岡市   株式会社 越のむらさき

第 2 話

しょうゆやおみそは発酵させて造る物だということはご存じでしょうか?古来中国から伝わって日本風に変化してできた伝統的な調味料ですが、昨今欧米でも発酵食品の効用が注目されているようですね。
さて、話は戻りますがまず、小麦は発酵の元であるこうじ菌を増殖させるのに大切な材料となるほか、酵母や乳酸菌の働きで良い香りの元になり、おしょうゆの味を引き締めるのだそうです。
ではまず製造工程をご説明しましょう。
まず生の小麦のデンプン(βデンプン)を消化しやすいαデンプンにするために「煎る(ロースト)」します。そしてそのデンプンをブドウ糖にしてから発酵が始まります。
さっそく蔵の中に入ってみました。
   
この得体の知れない物体に近づいていくと、熱気を感じてくるではありませんか。レンガの煙突を横に倒したような形のもので、何と、これが小麦を煎る機械なのだそうです。まさに今、実際に煎る作業の真っ最中でした。この機械の裏から煎った小麦が出てくる仕組みになっていて、その出口から煎りたての小麦をちょっと失敬。

おいをかいでみると、とても香ばしい香りがして、一粒口の中に入れてみるとちょっと焦げ臭いような、甘いような味がします。カリッ。さすがの私でもおいしくいただくにはちょっと硬すぎました。
この煎られた小麦はその裏にある機械で挽き割られて次に進みます。   昔からおしょうゆやおみそを造っているところは火事が起きやすかったと言われるのはこの工程の後に十分に小麦がさめないうちにその場から離れてしまうことで火事が起きてしまうことがあったそうです。今でも十分に注意し気を付けているのだそうです。
そして、その隣にある機械は、NK缶と言ってもう一つの原材料である大豆を蒸す機械で、この工程では、こうじ菌が育成しやすいように、タンパク質を変性させるのだそうです。機械自体の上下が反転し、中の大豆が均一に蒸されるようになっています。古い機械で、今では珍しいものなのだそうです。
左の機械は挽き割られた小麦と蒸した大豆を少しずつ混ぜる機械です。その後別の部屋へコンベアーで運ばれます。
      …第3話につづく…

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