(by えつこ)
長岡市 株式会社 越のむらさき
第 4 話
音の正体はこの機械でした。 脇の小さな小窓から中を覗いてみると、シャワーのような水が勢いよく流れています。この機械は2階にあった室の空調機で、室の中の空気をこの機械の中に取り込み、加湿して再び室の中に空気を送るのだそうです。なるほど、これがあの蒸し暑さのもとだったのですね。 |
その後、こうじ室の調整室で今回の仕込に使われた原料を見せてもらいました。 左が煎った小麦。右が大豆。 左がここで使われている天日塩。右が煎って挽き割りした小麦です。 昨今、遺伝子操作の大豆が問題になっていますが、ここで使われている物は一切間違いのない物だそうで証明書も見せてもらいました。 そして、できた「出(で)こうじ」はエアーシューターで仕込蔵へ送られます。 |
ここが仕込蔵の2階です。1階部分はタンクになっているので2階ではタンクの開口部が見えます。 ブルーのふたが被せてある四角い部分がそうです。 ここではタンク1本で百石(18000リットル)の原料が入るのだそうです。 先ほどの「出こうじ」がエアーシューターでここに運ばれてきて、塩水と混ぜられてタンクの中に入れられるのだそうです。1回分の原料でタンクの約3分の1。それを3回繰り返してようやく一杯になるのだそうです。 |
ちょっと、発酵途中の様子を見せてもらいました。 ふたをはずして覗き込むと1メートル下にそれはありました。 これは、仕込からもうすぐ1年たつ状態のもの。色は茶色で表面の所々に小さな穴があいています。これは発酵の過程で出てくる泡のあとだそうです。ここでは、おしょうゆを造るために通常は熟成期間が1年間だそうですが、その間いくどとなく「櫂(かい)入れ」という作業を繰り返します。 昔は木の棒でタンクの中をかきまわすことによって表面だけこうじ菌の繁殖が進むのを防ぐとともに雑菌の繁殖を防止し、全体にまんべんなく発酵が進むようにしていたのですが、現在は圧搾空気で撹拌しているのだそうです。 …第5話に続く… |