(by えつこ)
長岡市 株式会社 越のむらさき
第 7 話
火入れを済ませたおしょうゆが、タンクの中に製品ごとに分けて入っています。それぞれのタンクには製品名の入った木札が掛けられていました。ほとんどのタンクは耐熱ポリなどですが、蔵の奥の方へ行ってみると、昔ながらの大きな杉樽があるではないですか。 「これは、昔使っていたのですか?」などと、大変失礼なことを言ってしまいましたが、とんでもない。十分現役で、活躍しているのです。ゴメンナサイ。火入れをしたおしょうゆは、このように樽の中で静かに寝かせて置くことによって、もろみかす(オリ)が下の方に沈殿します。この工程を「おり下げ」と言うのだそうです。樽の下の部分には上下2つの口があり、下の口からはそのオリを出し、上の口からは製品になるおしょうゆを出します。 |
おしょうゆは製造方法で分類すると、本醸造と新式醸造という2つの種類に分かれますが、新式醸造の場合はこの他に、アミノ酸液を加える工程がプラスされます。 さあ、いよいよ最終段階です。おしょうゆは瓶詰めをする前に、濾過をします。こちらでは多段式濾過器といって、円盤形の濾過フィルターが何段も重ねられている機械で、おしょうゆをその中を通すことによって濾過する機械を使っています。 その濾過器を通ったおしょうゆは、レーンに乗った瓶に詰められます。この機械は洗った瓶をひびや傷がないか確認しながらおしょうゆを詰めて、打栓をします。 このあとは、ラベルを貼って製品となります。 |
おしょうゆ造りの工程にそって、蔵の中を見せていただきましたが、この後、それぞれの段階のおしょうゆを比較させてもらうことができました。新潟のおしょうゆは、大豆のうまみが強く、塩甘なのが特徴なのだそうです。さあ!待ちに待った試飲?です。 左から順に、完成間近のもろみ。次が、圧搾により絞られたばかりの生揚。残り2つは火入れをして製品になったおしょうゆで、本醸造と新式醸造です。 まず一番左のもろみは、見た目も、においも、味もまさにお味噌なのですが間違いなくおしょうゆのもろみです。 |
中にゴツゴツ見えるのはまん丸の大豆。これをお湯で溶いたらお味噌汁?キュウリに付けて食べたらモロキュウ?本当にそんな感じなのです。これを搾ったらおしょうゆになるなんて、とても思えません。
その他の3つは、見た目はどれもおしょうゆです。色は本醸造が一番濃くツヤツヤしていて、次に新式醸造、生揚と薄くなってきます。 香りを比較すると、生揚はほとんど香りが立っていないような、なにか先程のもろみのにおいが残っているような、アレ?という感じです。 それに比べて、本醸造は香りが完全に開いているという感じで、芳ばしい香りがスーと鼻を抜けていきます。新式醸造は本醸造ほどではありませんが、軽い香りと、なにか鼻に残る独特の香りがあります。 …第8話へつづく… |