初めての酒蔵見学 取材報告 第3話  【by Etuko】

栃尾市 越銘醸株式会社

 の入り口脇には、様々な鑑評会の賞状がずらりと並び、これまでの酒造りのすばらしい歴史がキラリ!
 関東信越国税局鑑評会で18年間に渡っていただいた金賞。
 さらには、何と!その内2回も主席第1位を獲得したと言うのですから、この蔵の優秀さは言うまでもありません。

 さあ、ここからが酒造りの核心部分に入ります。 私たちは蔵の2階へ案内されました。左の壁の奥は麹室(こうじむろ)。
 その前には大きなへぎのような形の麹蓋が積み重ねてありました。これは麹室で麹米を造るときに使うそうです。最近では麹蓋を使う酒蔵は少なくなってきましたが、大事な部分は昔ながらの職人の技が受け継がれています。


 こちらが麹室。温度・湿度など厳しく管理している蔵の心臓部ということで、扉の所からちょっとだけ覗かせて頂きました。先程見てきた蒸米の一部を使って麹米を造ります。
 浅野専務が麹米を手にとって見せてくれました。真っ白でプクプクしていて、少しだけ口に入れてみましたが、何だかモソッとした感じで、ちょぴり甘みがありました。この後、浅野専務は黒板を持ち出して、酒造りに関する色々な説明をしてくださいました。
 初添(はつぞえ)から留添(とめぞえ)までの「三段仕込」の工程や、「並行復発酵」と言って、日本酒は世界に類を見ない高度な発酵技術を用いていることなど、初心者の私にもとても分かり易い説明でした。




 に見学したのは、お酒の元となる酒母タンクです。発酵途中のタンクの中はブクブクと泡が出続けていました。プーンとにおってきたのは、なぜかバナナのにおい、泡の部分をなめたら炭酸のようなピリッとした感じと甘酸っぱいフルーツのシェイクのような味でした。
 その隣にあったタンクは、あと2,3日で熟成が終了しそうな大吟醸酒のタンクでした。
  この日は気温が低かったせいか、タンクの温度が下がり過ぎないように胴体に保温シートを巻いていました。
 そっと蓋を開けて覗いてみると、とってもフルーティーないい香り。試飲もさせて頂いたのですが、まだ少しだけピリッとした感じはあるものの、ふくよかな柔らかさと、清々しい味わいは何とも言えないものでした。


 の1階に降りると、そこには吟醸酒のタンクがたくさん並んでいました。それぞれのタンクには温度の状況が克明に記録されていました。
 先程のように保温シートを巻いている物もあれば、温度が上がり過ぎないように雪を詰めた袋を抱かせている物もあり、この工程の緻密さ、大変さが伝わってきました。
              …第4話へつづく…

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