文 えつこ
【 第 16 話 】
まだまだ食べます絶好調
そこから少し歩くと右に大きなかにの看板の「かに道楽」本店。その交差点を右に曲がると、そこが戎(えびす)橋。短い橋ですが渡って振り返ると、でましたグリコの看板。証拠の写真を撮ってからあっちこっちをうろうろ。すると法善寺?という案内板。聞いたことあるなぁ。何とかの法善寺横町とか聞いたことがあるなぁ。とにかく行ってみると細い路地の途中にあって、小さな水掛地蔵様がありました。御利益は何?まっ、いいか。八百万の神々そして法善寺様と、ありとあらゆる、考えられるお願いをしました。 次は10分くらい歩いてアメリカ村へ。 ここは流行に敏感な若者を中心としたファッション関係のお店が多く集まる区域。でもどうしてそんなところに行ったのかって?もちろん、食べるためです。 |
この辺のたこ焼きはソースの上にマヨネーズがかかっているタイプのものです。マヨラーの主人が食べてみたいと言うので来てみました。いろいろなお店があったのですが、神田川俊郎プロデュースの黒崎本店という所で買ってみました。ここもたっぷりのソースの上にマヨネーズ。そしてその上にかつお節がかかっていて、けっこうおいしかったです。若者向けかなという感じです。 さて、おやつも終わりそろそろ暗くなってきたので夕食の時間です。また、食べるの?当たり前です。別腹は健在です。私たちは道頓堀に戻って事前調査のお店に行くことにしました。そこは、義兄からの情報で、大阪らしい食べ物がある本格的なお寿司屋さんだと言うことです。サウナ・ニュージャパンの角を入ったところにある、その名は「英ちゃん富久鮨」という所です。のれんをくぐると古式ゆかしい、どっしりとした風格を感じさせるお店で、知らなければまわれ右をしてしまいそうな、ワッ高そう、というお店でした。 |
でも、大阪らしいおいしい食べ物の誘惑には勝てません。案内されるままカウンターの奥の席に座りました。寿司屋さんとくれば日本酒。冷酒でお酒を頼むと黙って出てきたのが惣花の超特撰。ここはやはりただものではないなと直感。そして店内はご主人と思われる人が正面にいて、静かな面もちの中にスキを見せない目配り。その他客席に対する位置に板前さんが3人。専任の酒番の人が1人。そして、すぐ隣の調理場に5人くらいの板前さん達が、ほとんど無言でてきぱきと仕事をこなしています。何というプレッシャー。おそるおそるメニューを見ると種類は豊富で珍味から旬の食材まで珍しいものがたくさん書いてありましたが、値段が書いてありません。ドキッ。でも、めげずに最初に注文したのは「お造り」。そして出てきたものはというと赤穂の鯛、関アジ、勝浦であがった大トロ、そして口の中でとろけるようなイカ。ただの鯛、アジ、マグロじゃないんですよ。それはそれは旨いこと。かたや主人はこんな一流のお店の技術を食べてみたいと、珍味の数々。このわた、鮒鮨、ふぐの白子の3年貯蔵ものと私もご相伴させていただきましたが、これが一流の味かと感心しながら食べました。 | あとは、このお店のオリジナルの「えりまき穴子のにぎり」を食べてみました。その時撮った写真がこれです。小さなシャリに1本分の穴子がちょうどえりまきのように巻かれています。それをほおばっている写真です。次に旬の初鰹のにぎり、そして普通の鉄火を食べました。鰹はとろり、鉄火のマグロは中トロといっても良さそうなネタでした。もう、幸せ一杯のこの写真を見てください。最後におみやげとして国内向け「さば棒鮨」を1本作ってもらいました。国内向けって何?と思われた人もいるかもしれませんが、この店には他に海外向けというのもあるのです。どういうことかと言えば、長年の経験と知恵で日持ちをさせるための特別な技をほどこし、先人の工夫をそのまま現在も受け継いで一番おいしい食べ頃をいつにするか調整できるのだそうです。 後日、家に帰ってきてから食べてみましたが、普通の3倍はあろうかというサバとシャリと酢の絶妙なバランス。今までのさば鮨の概念を根底からくつがえすおいしさに皆とっても喜んでいました。 …第17話につづく… |