初めての酒造り体験 取材報告  (by えつこ)

新潟県長岡市  葛g乃川

第 11 話

 続いて奥の方に一回り大きなタンクがあり、そちらの方に向かいます。
 このタンクは先日行われました2泊3日の体験醸造の時に仕込んだタンクだそうです。
    
 容量は6000リットル。先程のタンクの2倍ですね。仕込み開始から6日目。特別純米酒のタンクです。
     
 酵母は泡なし酵母を使用し、盛んに発酵していますが、ご覧のように泡はほとんど立っていません。
 香りはわずかに香る程度で特別印象に残るような香りとは言えないくらいでした。
 でも、きれいでしょう?何がって?
・・・私じゃなくて、お・酒・ですよ。
 さて、次はお待たせ。本日のメインイベント〜、じゃなかった、本日のメインとなる麹室の作業です。
 酒造りの工程で最も大切で最も気を抜けないのが麹(米)造りです。
 麹づくりは蒸し米に麹菌を振りかけ、温度や湿度を保ちながらお米に均一に麹菌を繁殖させて麹米を造る作業です。
 大吟醸などの高級酒は、未だに昔ながらの「麹蓋」という木製の「へぎ」を使って伝統の技で切り返しという作業を続けて麹菌を繁殖させます。
 その作業は菌の増殖の加減でお米を固めたり、散らしたり、へぎを積み替えたり、ほとんど休む間もなく、丸2日間に渡って行われる作業です。
 ここで、この麹造りの作業を大きく分けて3つに分けてご説明しましょう。
 1.引き込み
 蒸し米に麹菌を振りかけて、「床むろ」と呼ばれる台の上に均一に広げて麹菌の定着を促す。
 2.盛(もり)
 お米に定着したの麹菌を増殖させ、お米の内部まで十分に麹菌を繁殖させる。

 3.出麹
 十分に麹菌が繁殖した麹を仕込みタンクに運び出す。
 というのが麹造りの工程ですが午前中に2の「盛」と3の「出麹」をする予定です。
 麹室の中の温度は30度C以上あります。ここで作業をする人は皆Tシャツに短パン姿に着替えます。頭は相変わらずヘアーキャップに足は裸足。
 いよいよ麹室に入りました。
 中は薄暗く熱気が立ちこめています。部屋の中央にドーンと木製の大きなテーブルのような「床むろ」の台があります。その中央に布に包まれた麹がありました。
    
 早速、作業です。かぶせてあった布をめくって台の廻りに丸めて置きます。今回の麹の量は900kgだそうです。
 麹を手に取ってみてみました。先程見た出来上がった麹と違って白い産毛のような麹菌がまだ繁殖していません。
    
 よく見るとお米に、いくつかの白い点が見えます。これが付着した麹菌で、まだほんのペン先で突っついた程度の大きさです。これで丸1日がたった麹だそうです。
    
 麹室内の薄暗い照明ではよく見えないので、下から光が出るビデオテープくらいの大きさの光学器械を持ってきてくれて、その上に麹米を乗せて見せてくれました。
    …第12話につづく…

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