初めての「きき酒会」 取材報告  (by えつこ)

越乃白銀会主催 きき酒会

第 6 話

懇親会も盛り上がっていると、先ほどのきき酒の正解が発表されました。
これと同時に先ほど提出した回答用紙が返却されてきました。1問正解すると10点。7種類のお酒ですから満点は70点になるわけです。
司会の方から「全問正解者はいらっしゃいませんでした。」と発表されると隣で主人が「よしっ」と一言。
続いて正解が読み上げられ、黒板にも書いてありました。
    
私は正解3問で30点。ほぼ半分近くしか当てることが出来ませんでした。
「まぁ、こんなもんだろう」と私の回答用紙を覗き込んで隣の主人が言います。
偉そうに・・・。じぁ、そっちはどうなのとばかりに主人の用紙を見せてもらいました。
 アレ・・・? バツが1ケ・・・?
ということは6問正解で60点。
主人曰く「全問正解者がいなければ、優勝は僕に決まりだ」と言うのです。
何故?全問正解者がいないと言われただけで、それ以外の発表はまだなのに何でそれがわかるの?
主人の説明は続きます。「だって、考えてごらん。7つの欄に、他の7つの記号を当てはめる問題だよ。1つ間違えば当然もう1カ所入れ替わりに間違っている場所が必ずあるから、普通は1つ間違えるということは2問間違えることにになるのさ。だからそうすると全問正解者の次は普通、2問不正解の50点でしょう。」ところが主人は1問不正解の60点。だから優勝となると言うのです。
それで先ほど、全問正解がいないと発表されたときに小さな声で「よしっ」と言ったわけです。フーン。なるほどね。
アレ?素直な私はすごいなーと感心して聞いていましたが、何か変です。
「じぁあ、何でうちの主人は1問不正解なの?」
主人曰く「紙に番号を書くときに数字を書き間違えたんだよ。こんな間抜けが他にいると思う?」

きき酒以前に、番号やお酒の名前やアルファベットが並んでいる回答用紙に混乱して、1つ数字を書き間違えたとのこと。お馬鹿なご主人様。
でも、この会話は他には誰も知りません。
会場は表彰の準備です。表彰は団体戦から行うようで、同点の場合は代表がステージでじゃんけんで順位を決めるとのアナウンスがありました。「発表します。団体同点優勝が2チーム。三条の山善酒店チームともう1チーム。じゃんけんで順位を決めてもらいます。このじゃんけんで負けたチームが2位となります」。
さぁ、じゃんけんです。うちの代表は誰?えっ?私に出ろと言うのです。私、じゃんけん弱いのにー。背中を押されるようにしてステージへ。
    
チームの合計得点で150点同士。優勝か2位か。チームの運命が私の細腕にかかっています。
「じゃん、けん、ポン」
     
アレー、負けちゃいました。だから言わないこっちゃない。
次に個人戦の同点者のじゃんけんです。「個人戦は2位が4名いらっしゃいます」。・・・やっぱり。そうすると主人が優勝です。2位は1つの間違いが自動的に2問間違いになるのです。
4人の名前が読み上げられました。私たちのチームの林さんも呼ばれてステージの方に歩いていきます。
     
右から2番目。奥の方にいる人が林さんです。私のかわりに今度こそ、じゃんけんの雪辱戦です。ガンバレー

    …第7話につづく…

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