最新設備の酒蔵 取材報告  (by えつこ)

新潟県新潟市  高野酒造

第 5 話

 なにが優れものかというと普通酒なら普通酒用に温度管理してやるとその予定曲線の通りに発酵をしてくれますし、大吟醸のように極低温で仕込むときにも予定曲線をはずれることなく素直な発酵曲線を描いてお酒を造ってくれるということなのです。
 この試験管1本で数千万の酵母が生きています。これだけあればお酒が何万本も出来ます。そして、この酵母は培養すると大体4〜5回は増殖させることが出来ます。
 酵母菌を増殖させるときにはまず、無菌室で酵母菌をほんの少し取り、それを別の試験管の寒天培地に移植し恒温機で一定の温度を保ってやれば酵母が増殖します。
 その恒温機は冷蔵庫の隣に置いてありました。
    
 この機械は内部の温度を常に一定に保つ機械で、酵母を発酵させるときは28度Cで4〜5日かけて培養するのだそうです。
 その後2〜3日冷蔵庫で休ませてから酒母発酵に使うのだそうです。
 このような機械はよく使われていて、例えば卵を暖めて雛に孵す場合にも使われますし、部屋の温度に左右されずに環境設定をするときに使われます。
 いかがでしたでしょうか?付いてきていただけましたでしょうか?
 研究室の内部の説明はこれくらいにして通常の見学に戻りますので担当が代わります。
 ハイ、代わりました。再びえつこの登場です。主人の講釈にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。では、肩の力を抜いて、どうぞお読み下さい。
 次の部屋は、圧搾室と言って、もろみからお酒を搾るところです。では中に入ってみましょう。
     
 圧搾室の中に入ると、そこには藪田式圧搾機と、漕(ふね)式圧搾機がドドドーンと置かれています。

 私の蔵見学シリーズをご愛読いただいている皆さまには、もうお馴染みでしょうが、これがその機械です。
    
 まずは藪田式圧搾機。こちらでは、鉄骨が組んであり、階段を上がった上の方に設置されていました。
 他の蔵見学シリーズなんて読んだこと無いよ!という方のためにご説明しますと、この圧搾機の横にアコーディオンの蛇腹のように見えるところがありますね。そこは白い布製の袋になっていて、構造は、その1つ1つの袋の中にそれぞれ風船が入っていて何百枚も横にしてくっつけてあるのです。それらを端からしっかりと押しつけて密着させてあります。
    
 この圧搾機の使い方は、発酵が終わったもろみをその袋と袋の隙間に流し入れます。
 袋は端からしっかりと押しつけてありますのでもろみが漏れることはありません。その後、圧搾空気で袋の中の風船をふくらませます。それぞれの袋の中の風船が膨らむことによって、隙間に入っているもろみに圧力をかけます。すると、もろみの中のお酒は押されて下に流れて出てきますし、固形物として酒粕が袋と袋の間に挟まれた板状になって残ります。このようにしてお酒を搾るのだそうです。
 この機械で袋を約200枚も使っていて、1回で搾れる量は米100俵分、もろみで8000リットルも搾れるのだそうです。
 実際に使うときは、もろみを入れるのに半日、搾りに1昼夜かかるそうです。搾るときは決して急いではいけないのだそうです。
 もろみを搾るとき、あまり早く搾る(圧力を高くして搾る)とお酒に粕分が多く含まれてしまって濁ってしまうからだそうです。
    

    …第6話につづく…

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