最新設備の酒蔵 取材報告  (by えつこ)

新潟県新潟市  高野酒造

第 7 話

 続いて仕込み室の見学です。
先程の浸漬室の隣です。入口の上に神棚がありました。酒造りにたずさわる人達にとって最も神聖な場所なのですね。
       
 では、中に入ってみましょう。
さすがに最新の蔵だけあって、タンクも新品。ステンレスの銀色がピカピカしています。
 容量は10000リットル。全部で18本のタンクが並んでいます。
    
 このサイズのタンクですと、仕込みに使うお米の量は100俵。8000リットルのもろみ。
 どこかで聞いたような数字ですね。そうです。藪田式搾り機の能力とちょうど同じですね。そうすると効率よく作業が出来るということになるわけです。
 タンクの間を歩きながら話は続きます。ここにあるタンクは全て「サーマルタンク」といって、温度を調節できる機能が付いている最新型のタンクです。 構造は2重構造で内側と外側のタンクの間を冷水が循環出来るようになっていて、その冷却水によって内部のもろみの温度を調節できるようになっているのだそうです。
 この蔵では普通酒の仕込の場合、最初は7度Cでスタートして、10日目くらいのピーク時では15度C程度に達するそうです。それまでは大体1日に1度Cくらい温度が上昇し、ピークに達したら数日間その温度が続き、発酵の終了に向けて段々温度が下がっていくのだそうです。
 また、吟醸以上の高級酒の場合はもろみの最高温度を10度C以下になるように低温で、その代わりに長い時間をかけてゆっくり発酵させるのだそうです。ですから、よいお酒は寒造りするのですね。

 次は階段を上り、2階の浸漬室の見学です。1階の洗米機から水9:米1の割合でパイプを通って送られてきたお米はここにやってくるわけです。
    
 中に入ってみましょう。中は底の方が逆円錐形にすぼまっているタンクが並んでいます。
    
 だれか作業をしているようです。洗米機から送られてきたお米はこの中に入るようです。足場を上がって見ましょう。
    
 タンクの高さはちょうど私の胸の高さで中を覗き込むにはちょうど良い高さです。
 先程の作業をしていたタンクを覗いてみました。底の方に水の流れによって運ばれてきたお米だけが入っています。
     
 この段階では一時的に洗米しただけの状態で、この後本格的に浸漬の工程に移るのだそうです。
 隣のタンクに何か機械が取り付けてあります。タンクの上に四角い機械。
ザザザザーと音がしてきました。何か出てきました。お米です。
    

    …第8話につづく…

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