最新設備の酒蔵 取材報告  (by えつこ)

新潟県新潟市  高野酒造

第 8 話

 水の流れによって運ばれてきたお米がタンクの中に入っていきます。中心のドラムが回転しながらお米の水を切り、タンクの中にお米だけが流れて落ちていきます。
 このように人手を必要とせず、1階から2階へ洗ったお米が運ばれてくるのです。
 ここのタンクでは1度に700kgのお米を浸漬することが出来るそうです。
 浸漬の作業は精米歩合やお米の用途によって違いますが、精米歩合60%のお米では大体20分間お水につけて吸水させるのだそうです。
 残念ながら、今日の作業はここまでだそうです。
 平日ですと浸漬作業が終わったお米は隣の蒸米室にベルトコンベアーで運ばれます。これが連続蒸米機です。
    
 写真右側の投入口からお米が入り、約1時間かけて蒸気でお米を蒸しながら奥の方に運ぶのだそうです。
 機械の中は細かい網状の幅の広いベルトがゆっくり動いていて、そのベルトに乗っている間に蒸されるのだそうですが、この時使う蒸気はボイラーからの直接の蒸気ではなく、一度お湯の中を通してきた蒸気を使うのだそうです。
 その理由は生蒸気だと強い(温度が高い)のでお湯を通すことでその温度を110度C位に落とすと共に温度を一定にするためなのだそうです。
 蒸米機を反対側から見てみましょう。写真上部の四角い口が蒸米機の反対側の端です。
     
 その口の下から出てきた蒸し米が、そこに直結された放冷機の網状のベルトに乗り換えることになります。
 放冷機は写真中央から下の部分です。蒸し米は放冷機のベルトの上を冷風を浴びながらゆっくり進んでいき、時々ほぐされるようにして均一に冷やされます。

 これが放冷機の全体写真です。
    
 写真右端が蒸米機の最後、お米が蒸されて出てくる場所で、中央に写っている放冷機にそのまま流れていきます。
 放冷機を反対側から見てみましょう。
     
 これが放冷機の端で、ここからお米が出てくるまでに、用途に応じて適温に冷やすわけです。麹米なら約40度Cまで冷やします。
 この放冷機の脇には、昔ながらの和釜にセイロの組み合わせの「こしき」ではありませんが高級酒を造るときに使う最新型の「回転式こしき」がありました。
 「こしき」といってもステンレス製のピカピカしたタンクに見えます。
     
この「こしき」は吟醸酒以上の高級酒を造るときに用いられ、この中に浸漬されたお米を入れて下から蒸気で蒸します。出来上がった蒸し米は側面のハンドルを回転させて「こしき」を傾けてお米を取り出します。まるで巨大な給食用の炊飯器という感じですね。
 このようにして麹用の蒸し米は麹室に、仕込み用の掛け米は仕込みタンクにそれぞれ運ばれていきます。
 続いて同じフロアーにある麹室の見学です。
       
    …第9話につづく…

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