始めてのビール工場 取材報告 (BY えつこ)

第3話 (大江戸漫遊記 第8話)

 これがろ過器の中に入っている円盤です。
    
この一つ一つにミクロフィルターという目の細かい「ろ紙」を取り付けてろ過するのですが、オリより小さな酵母はその直径が約5〜10ミクロン。ろ紙の目の隙間は3ミクロン。旨味成分の大きさは1ミクロン。ですからこのろ過器を通すと酵母までは取りますが旨味成分はビールとして精製することが出来るのです。これで、熱処理をしない「生ビール」をつくっているのです。
 6.缶・瓶詰め−製品にする
ビールは空気に触れると品質の劣化が始まります。そこでビールを容器に詰めるときにも最初に炭酸ガスを容器に吹き付けて中の空気を追い出してからビールを充てんします。そして、蓋や栓を閉めるときにも中に空気が残らないように炭酸ガスを吹き付けながら密閉するのだそうです。
次のホールはこの武蔵野ビール工場が行っている環境への取り組み。エコ・ブロアリーを目指して、様々な資源の再利用を説明しています。
    
例えばビール酵母は健康食品として商品化していますし、大麦カス(モルトフィールド)は家畜の飼料、ろ過材は土壌改良材、空き缶はアルミ地金、ビンは再生ガラス、プラスチックは再生プラスチック、ペットボトルは繊維にしてユニフォームにするなどという説明がありました。
最後にこの建物で行われている缶詰ラインを見ました。
     
この機械は缶にビールを充てんする機械です。


この機械が1回転する間に缶の中にビールが詰められて蓋をされるわけです。そして、箱詰めされて製品として出荷されるのです。
製造工程の説明は終了。ざっと所要時間は30分。
次は見学者お待ちかねの試飲会場(ゲストルーム)へ向かいます。ゲストルームは最初の建物の中にあります。
    
ここでは当然無料でビールを飲むことができます。私たちもきれいなお姉さんたちに生ビールを注いでもらって席に着きました。
    
どうしてこういう時のビールはいつもと違っておいしく感じるのでしょうか?ちなみにおつまみは乾き物が少し。でもビールのお変わりは自由ですので皆さんすぐに席を立ってお変わりをもらいに行きます。
 そうしている内に先程から私たちに説明してくれていたガイドの上田さんが来て、さらに説明がありました。
まず、1つ目が意外と知らないビールの泡の効果についてです。
泡には見た目のおいしさだけでなく実は様々な効果があるとのこと。
その1、ビールの酸化を防ぎぐ「フタ」の役割。
その2、ビールの中に含まれる「苦味」を吸収して、なめらかな味わいにする。
その3、ソフトで口当たりの良い味わいをつくる。
これらがビール通になるためのひ・と・く・ちビール講座でした。
そして、サントリーではうまいビールのしるしとして次の4つのことをチェックポイントにしているとのこと。
1.クリーミーな泡。
2.ビールと泡が7:3
3.スモーキーバブルス
(泡とビールの間にもう一層できる霧状の泡のこと)
4.エンジェルリング
(飲み干した後のグラスにできる、何層かの泡のリング)

     …第9話へつづく…

第7話にもどる         第9話につづく