こだわりの酒蔵見学 取材報告 第3話  【by Etuko】

弥彦村 弥彦酒造株式会社

   
 冷機は甑から掘り出された蒸米の塊をほぐして冷やす為の機械で、最初に入れられた蒸米は麹用でした。
 ここで、登場したのが会長の多賀さん。冷やされた蒸米に放冷機の上で、麹菌を混ぜ合わせる重要な工程を担当されていました。蒸米の状態を見る厳しい眼、確かな手さばき。85歳にはとても見えない、現役バリバリのお仕事ぶりでした。
   
 麹菌を混ぜた蒸米は、パイプで麹室(こうじむろ)の中にある製麹機(せいきくき)へと運ばれます。
 麹室は蔵の心臓部であることと、菌の繁殖し易い状態に制御してある部屋のため、中には入れませんでしたが、扉の隙間からチラッとだけ覗かせていただきました。
 下の写真が、麹室の中の製麹機です。お酒造りの中でも最も重要な麹造りをこの機械で行います。    


今日が初添と言って、仕込の第1日目。この中には初めに酒母・麹米・水が入っています。そこにパイプで送られてきた蒸米が加えられます。上の方に金属の様な物が見えるでしょうか。 これは放冷機の蒸米がパイプをつたって、出てくる所です。パイプの出口に金ざるを逆さまにしたような物が付いていて、そこからシャワーのごとく、蒸米が吹き出てきます。小さな米粒が見えるかな…。 そして、櫂棒でよくかくはんして発酵を促します。 
 あ、この写真は何でしょう?
 実は、大きな仕込タンクによじ登って、タンクの縁から覗き込んで撮った写真です。


 れが蔵の中にある井戸です。だいたい2m〜3m位の大変浅い物ですが、さすが弥彦山の麓だけあって、とても澄んだ水でした。
   
 こちらの蔵では、この水を汲み上げて仕込に使います。軟水で、非常にお酒造りには適しているものの、自然の水にはどうしても雑菌や不純物があるため、何層にもわたるフィルターを通してからでなければ使えないということで、井戸の脇には大きな機械が何台も置かれていました。
     
     
井戸の上にはこの水の成分表が貼ってあり、常にしっかりと管理されている様子がうかがえます。
 私は、またしてもここでちょっと味見タイム。
     


 込の蔵の中に入って来ました。プーンとお酒のいい香りが漂っています。
 両側の壁際には大きな仕込タンク、先程蒸米を運んでいたパイプも見えています。その前には小さなタンクがいくつか並んでいました。これがお酒の元となる酒母のタンクです。
 そして、この蔵の一番奥にある部屋では大吟醸酒の仕込の真っ最中でした。
 この後、私はタンクによじ登って、中を覗いてみました。
             …第4話につづく…

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