こだわりの酒蔵見学 取材報告 第4話 【by Etuko】
弥彦村 弥彦酒造株式会社
仕込蔵に入った私は、次から次へとタンクによじ登って中を覗いて見ました。 最初のタンクはお酒の元になる酒母でした。 そっと蓋を開けてもらうと、プーンとバナナのような甘い匂いと黄色っぽい色。ブクブクと泡がひっきりなしに出ていました。一見、こーいバナナシェイクのようです。 |
次は壁際の大きなタンク。タンクに梯子を立て掛けて、それに登って中を覗き込もうとした瞬間「絶対に落ちないでくださいね、タンクの中は炭酸ガスが充満していますから、即死ですヨ!」 しかし、そんな言葉にもめげずに、お勉強のため、決死の覚悟で?! タンクの縁にしっかりと捕まって身を乗り出したのでした。 |
|
まず最初に覗いたのが、純米吟醸酒のタンクです。これは仕込開始から1週間経過したもろみの表面です。元気良く出ている泡は、私の大好きなソフトクリームのような、滑らかできめが細かく、香りはフレッシュでフルーティー。思わず舐めてしまいたくなってしまいました。そして耳を澄ましてみると「サワサワ、サワサワ」という音が聞こえてきて、まるで子供達が遠くで遊んでいるような、楽しそうでワクワクするような気持ちになりました。 次に覗いたのが、本醸造酒用のタンクです。こちらは後数日で上槽(しぼり)のタイミングでした。今まで盛んに発酵によってできていた泡が、その終了が近づくにつれてしぼんでいく状態です。役目を終えた泡達は、静かにひそひそとお酒になる日が来るのを話し合っているように感じました。香りはもう若々しいお酒のようでした。 |
蔵の奥の特別な場所に鎮座ましますは、大吟醸酒のタンクです。ここ弥彦酒造では大吟醸酒だけは協会9号酵母を使うそうです。9号酵母は香りの高い吟醸酒を造り出しますが、その他のお酒は10号やNEW8号酵母を使うそうです。10号酵母で造られたお酒は香りは控えめで飲み飽きしないお酒に。NEW8号酵母は10号に比べるとやや香りが出るお酒となるそうです。ブームに左右されない泉流本来の伝統とこだわりを守り続け、品評会にすらあえて出品せず、小さな蔵元がゆえ信念を貫き通し、他のお酒とは一線を画しているのだそうです。 フーン、何かとってもかっこいいね! …第5話につづく… |
|