日本のワインのルーツを訊ねて 取材報告  (by えつこ)

山梨県勝沼町  メルシャン勝沼ワイナリー
        マンズ勝沼ワイナリー

第 14 話

 バーベキュー・ガーデン「万寿園」を出ると、入るときにはお腹が空いていて気が付かなかったのですが、入口の脇にコルク樫の木がありました。これが見学の時にここでも植えてみたというコルク樫の木の中の1本なのです。確かにそれほどの大きさでもなく、うっかりすると見過ごしていまいそうな、そんな木でした。
 これじゃぁ満足なコルク栓が出来そうもないなと思いながらさらに工場入口まで戻ってくると記念撮影用の書き割りパネルがありました。記念にハイポーズ。カシャッ。
    
    武田悦子信玄です。
 充実したワイナリー見学も終了。「日本のワインのルーツを訊ねて」も黎明期の先覚者の執念を身近に感じることができ、また、念願のバーベキューもしっかりお腹に感じることが出来ました。ようやくこれで今回の研修旅行の目的は達しました。
 さて、次はどこへ行こうか。秋の1日。お天気も良くせっかく山梨まで来たのですから教養を高めるためにと色々ガイドブックなどで美術館やその他にどこか見るところはないかと探したのですが何かピンと来るところが思い当たりません。やはり私たちには教養という言葉は向いていないのでしょうか。そこで主人が「じゃぁ、ワインついでに、ぶどうの丘に行ってみるか」と言い出しました。
 そこは勝沼の町営施設で、地元の地ワインが色々揃っていて、小さなワイナリーのワインを試飲することが出来ます。
 ぶどうの丘まで車で上っていきます。そこは見晴らしの良い高台という感じの丘です。ふと、駐車場に目を向けると見たこともない大きなぶどうがあるではないですか。近づいてよく見ようと思います。

 実は「ぶどうバス」でした。
   
 屋根をぶどうの房に模したマイクロバスなのです。これは平成12年6月に登場した勝沼町内循環バスで赤ワイン号と白ワイン号の2台あるそうです。勝沼ぶどう郷駅前を発着地に、諏訪神社などの北域を回る北回り、大善寺やぶどうの国文化館などの南域を巡る南回りの2路線があり、乗車距離に関係なく、1回100円の均一料金で利用できるそうです。どちらも1周45分で、1日8便。7〜9月の土日、祝日には増便されるとのことだそうです。
 バスの胴体にはワイングラスがデザインされていてこれは多分白ワイン号だと思いますが、バスが動くとボディーのワイングラスの中のワインが揺れるようになっていました。どうです?かわいいでしょう?
 この日は平日でしたので駐車場はそれほど大混雑と言うほどではありませんでしたが結構観光客の人が大勢いました。
 車を駐車場に入れてふと、回りを見ると丘の上なのでとても景色が良いです。
   
 下にいるときは気が付かなかったのですがやはり甲府盆地と言われるだけに回りは山に囲まれています。
 ほとんど全てがぶどう畑。その間に住宅が建っているような感じです。ぶどう畑は回りの山裾まで続いていて、新潟の田舎ならこれが田んぼなのですがここでは畑です。でもどこかのどかでやさしい気分にさせてくれます。
 心の原風景って日本人ならどこか共通するところがあるんですね。そんな気がしました。
    …第15話につづく…

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