日本のワインのルーツを訊ねて 取材報告  (by えつこ)

山梨県勝沼町  メルシャン勝沼ワイナリー
        マンズ勝沼ワイナリー

第 15 話

 駐車場から少し歩いて上るとその建物はありました。ここがぶどうの丘です。
    
 一面に広がるぶどう畑の小高い丘のてっぺんにそれはありました。ここは季節ごとに彩りを変えるぶどう畑の風景にしっくりなじみ、勝沼町のシンボルとなっています。
 ここは以前、主人が酒屋の青年部の旅行で訪れたことがあり、その試飲内容が充実していたので私を連れてきたのだそうです。
   
 施設概要は入場料無料で営業時間は8時〜20時。ワインの売店を中心にその地下はワインセラー(収納庫)になっています。セラーの営業時間は9時〜17時で無休。
 また、その建物には宿泊施設とレストランが併設されていて大きな窓越しの眺望はすばらしくスキヤキからフランス料理のフルコースまで、ワインに合うお料理が堪能できるそうです。
 そして平成12年3月には、日帰り温泉施設「天空の湯」と「並木恒延うるしミュージアム」がオープンしたそうです。天空の湯は晴れた日には南アルプスも眺められる大浴場をはじめ、ジャグジー、ミストサウナ、露天風呂を備えるアルカリ性単純泉だそうです。入浴料は3時間600円。営業時間10時〜22時。水曜休館だそうです。
 さて、さっそく私たちはワインの売店に入ってみました。勝沼町は全国一の質と量を誇るぶどうとワインの産地です。所狭しと色々なワインや生食用のぶどう、そしてぶどう関連商品が棚に積まれていて販売されています。
   
 ここが売店から地下のワインセラーに降りる階段の入口です。

 見学は自由ですが中で試飲するためには入口で「タートヴァン」という“きき酒杯”を買わなければなりません。1,100円です。
 ではそれを買って地下に降りて見ましょう。 階段を下りていくと、そこは巨大な地下の薄暗い洞窟になっていました。実際は暗くてとても先の方まで見渡せませんのでパンフレットの写真でご覧に入れます。
 ここがワインセラーです。
   
 これでこのセラーの片側半分です。
 両サイドの壁と中央にずらりとワインがラックに入って積み重ねてあります。ここには年2回の審査会をパスした町推薦の約150種類、4万本のワインが一堂に並んでいます。そして、壁の前にはワインの樽を立ててテーブル代わりに試飲用のワインがたくさん置いてあります。これを全て試飲すると間違いなく“大酔っぱらい”になりそうです。
 実際しばらくあっけにとられて、そこら辺で試飲を繰り返している人の話を聞くと「もう、試飲だけでボトル2本くらい飲んだ」とか「やっと半分制覇した」とか、どれくらい飲んだかわからないほど試飲しているようです。
 私たちもようやく暗さに目が慣れてきて主人が選ぶワインを試飲し始めました。
    
 私はこのタートヴァンを使うのは初めてですが、フランスでは古くから使われていたワインのきき酒用の容器だそうです。容器の内側の凸凹は光の反射を利用してワインの色調をよく見るためのものだそうです。でもセラーの中は暗くて色の違いなんてわかりません。
 主人は樽型テーブルの上のワインをあれやこれやと物色し始めました。表のラベルを見たり裏を見たりして、おもむろに試飲が始まりました。

    …第16話につづく…

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